ワキガ・多汗症(ワキ汗・手汗)

ワキガ・多汗症の治療
ワキガ、多汗症(ワキ汗・手汗・その他部位の多汗)の治療を当院では多く手がけています。
塗り薬、ボトックス注射、ミラドライ、手術など、症状や部位により治療法が異なります。
ワキ汗治療は2020年に保険適用の塗り薬が発売されて以来、一般の皮膚科で効果の高い塗り薬を処方できるようになりました。厳密に言えば腋窩多汗症の塗り薬ですが、ワキ汗が減ることでワキガも減ることが多いようです。
ボトックス注射はクリニックで行っている皮膚科は比較的少ないようです。美容外科では自費で行っているところが多いです。
ミラドライは腋窩の汗腺を焼灼する自費の治療です。長野県では現在3台(長野市・当院(松本)・諏訪)が稼働しています。
腋臭症手術は皮膚切開する手術で、県内の形成外科の病院では入院治療として行えることが多いと思います。当院では開業以来外来局所麻酔手術で行っています。術後の管理が大変ですが、効果の高い方法です。
ワキガ・ワキ汗については、現在有効と考えられている治療法について、複数の選択肢を用意している事が当院の強みです。。
手汗については塗り薬、イオントフォレーシス、ボトックス注射(自費)の治療選択肢を用意しています。
以下解説していきます。
発汗を抑制する塗リ薬(外用薬)(ワキ汗、ワキガ、手汗)(保険診療)
一番単純な治療です。以前は塩化アルミニウムローションを第一選択としていましたが、現在は抗コリン外用薬での治療が第一選択となりました(2020年末にエクロックゲル(科研製薬)、2022年5月にラピフォートワイプ(マルホ)という、いずれも画期的な処方薬(保険適用)が発売)。大変良く効く外用薬です。
「原発性腋窩多汗症」に対して処方が可能です。処方には診察が必要です。
手汗についても2023年6月より、抗コリン外用薬であるアポハイドローションが発売されました。こちらも大変効果が高く、多くの患者さんに喜ばれています。
従来よりある、塩化アルミニウムローションも用意しています。塩化アルミニウムローションの欠点はかぶれを起こしやすいことですが、好んで使用を続けるかたもいらっしゃいます。
ボトックス注射(ワキ汗は保険診療・手汗は自費診療)
片ワキに20カ所程度ずつ、少量のボツリヌス毒素を注射します。保険診療が可能で、1回の治療で4ヶ月から長い方で1年程度効果が持続します。注射の痛みがありますが、できるだけ痛みが少ないように工夫しています。安全性も高い治療で、15歳以上で治療可能です。注意点としては男性も女性も3ヶ月間の避妊の必要があります。
年に3回ー1回の注射の継続で通って頂いてる患者さんが多くいらっしゃいます。
手汗もボトックス治療ができる体制にしていますが、自費診療・注射の痛み・効果の持続が弱い・手先の作業がしにくくなるなどの副作用の点で、希望される方は少なめです。
(こちらのブログ「腋窩多汗症 わき汗のボトックスの効果はすごいですね」もお読みください)
(こちらのブログ「手汗ボトックス注射のご案内」もお読みください)
ミラドライ(ワキ汗・ワキガ)(自費診療)
腋窩多汗症治療器です。ワキ汗のもととなる汗腺を皮膚を切らずに電磁波で強力に変性させて、ワキ汗を止めてくれます。ワキガにも効果十分です。効果は一生続きますので、「切らない手術」と思っていただけるといいと思います。自費診療になりますが、全くきずあとを残さない、画期的な治療です。当院は長野県で最初に導入した施設です。
詳しくはこちらのページを御覧ください。
手術(皮弁法)(ワキガ)(保険診療)
ワキガが重度であれば、保険診療内で手術を行っています。ただしこの手術は多汗症には効果がありません。あくまでワキガの治療であるため、臭いのない方には手術はできません。
皮膚切開を伴いますので、リスクやダウンタイムはありますが、治療効果は高いです。
軽度の腋臭の方で、診察室で臭いを確認出来ない場合には手術適応となりませんので、ご了承ください。
この手術は術後安静が必須となります。車での送り迎え、術後の家族によるサポートは必須です。
手術は両側で1時間半時間程度です。痛みは最初の麻酔の注射のみで、術後の痛みは鎮痛剤で対処出来る程度です。
術後2日、4日、7日、10日で再診・創処置、その後1週間おきに術後1か月間まで通院が必要です。遠方の方は通院が大変です。
こちらのブログ「ワキガ手術 保険で安いからという理由で手術を希望しないでください【症例写真】」もどうぞ。




手術のリスク:血腫、感染、皮膚壊死、腋臭の残存・再発、腋毛の脱毛、肥厚性瘢痕、ケロイド、毛嚢炎
費用 保険診療 3割負担の場合、手術の費用単独では 両側で41220円+諸費用=52000円程度
当院の場合、その他別途で圧迫装具、ガーゼ等費用(実費16500円)。
イオントフォレーシス治療(手汗)(保険診療)
手掌を水道水の入った水槽に浸して通電することで、手汗の量を減少させます。1回の治療では効果がひくく、頻回の通院が必要になります。自宅がクリニックに近い方にはおすすめできる治療です。だいたい週1−2回の治療が必要です。
こちらのブログ「手汗ヤバいのは、電気で治そ!〜イオントフォレーシスのご案内 を御覧ください