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異所性蒙古斑 青あざのレーザー治療は早めに始めましょう

院長 藤田です。

今日はあざのお話を。とくに青あざの話です。

異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)ってお聞きになったことありますでしょうか。蒙古斑って、普通は背中やおしりにできますね。

背中やお尻以外にも蒙古斑ができることがあります。これを異所性蒙古斑と呼んでいます。

蒙古斑は大きなもの、色が濃いもの、背中お尻以外にあるもの(異所性)は消えにくい、と言われています。

色が濃い蒙古斑は保険適応でレーザー治療することができるのですが、さて、どのくらい濃いあざならレーザーしないといけないのでしょうか・・・。

実はその判断基準はどこにもありません!

ドクターの裁量に任されている、といってもいいでしょう。

レーザーを持っている施設に受診すると「早めにレーザーをしましょう」といわれますし、

持っていない施設に受診すると「しばらく経過を見ましょう」と言われることが多いと思います。

 

さて、当院の方針は・・・

「早めにレーザーを打ちましょう」です。

小さな異所性蒙古斑でも、目立つ部位ならとくに早期の照射がおすすめです。

 

なぜ早いほうがいいのか。理由は以下の通りです。

①赤ちゃんのうちならしっかり押さえてレーザー照射ができますが、2歳をこえると押さえつけること自体が難しくなり、うまく照射ができなくなります。その結果として色むらになりやすくなります。

②小さなうちならレーザー照射の面積も少なくて済みますが、成長するとどんどん照射範囲が広くなり、患児も医療者も大変になります。

③レーザー照射は皮膚の薄い赤ちゃんのうちのほうが、1回の効果が高いです。大人になって皮膚が厚くなるとそれだけあざが消えにくくなります。

 

ただし、赤ちゃんでも大きなものでは全身麻酔が必要になることもありますので、その場合には長野県立こども病院に紹介させていただいております。

治療費ですが、異所性蒙古斑は5回の照射までは保険がききます。

照射面積によって費用が異なりますが、市町村で乳幼児医療は負担が軽くなっていることが多いので、保護者にとってはありがたい話です。

最後に照射した患者さんの例をお示しします。写真のホームページへの提示にはご許可をいただいております。ありがとうございます。

 

レーザー照射前 このぐらいなら局所麻酔クリームでの照射が可能です。
レーザー治療後。レーザーが著効し、このお子さんは1回の照射でここまできれいになりました。しかし通常は3か月ごとに3回以上の照射が必要なことがほとんどです。

 

治療のリスク、副作用

合併症:熱傷、感染、色素沈着 等。

すべての患者さんが、症例写真のようにきれいに治るとは限りません。診察の上、ご説明させていただきます。

手術の費用

保険診療

 

2021年7月8日追記:遠方の患者様の受診を頂くことがありますが、治療には複数回の受診が必要となりお子様の負担となります。

遠方の方はお近くの皮膚科・形成外科を受診していただくことをおすすめいたします。

よろしくお願い申し上げます。

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