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わきがは保険診療で:当院できる手術⑥-2 わきがの手術

院長藤田です。再びわきがの話を。

わきがの患者さんから「まさかわきがが保険診療で治療できるとは知らなった」と言われます。

どうしてこの知識が一般的にならないのかわかりません。

患者さん曰く「あまり他人に相談できないから、保険でできるっていう情報が広まらないのではないでしょうか。今はネットがあるからいいけど」

とのことです。

たしかになかなか、他人に相談できないし、家族にも相談しにくいですよね。

「いいじゃないか、ニオイがあったって。その人の個性で、好きになった人のニオイはいいにおい」という考え方も好きですが、

でもその前の段階で損してしまう可能性があるのはやはりちょっともったいない気もします。

 

わきが治療を自費診療で行っている施設も多くあります。そこでは、通常の皮弁法という汗腺の直接切除だけではなく、いろいろな器具を使ってきれいな傷あとや高い効果を目指しての治療が行われております。また、最近では、切らないわきが治療器(電磁波による治療器と高周波による治療器の2種類があります)も出回ってきています。効果もだいぶ見込めるようですね。残念ながら私はまだ経験したことがないので、器械の評価はできません。ただ、やはり直接アポクリン腺を切除する皮弁法は最も効果が高い方法の一つであることは、ゆるぎない事実のようです。

しかも皮弁法は保険適用で手術当日の自己負担トータルは3割負担の場合、両側で40000円ちょっとです。

(追記:2019年8月29日現在 手術+諸費用+自費圧迫装具+自費ガーゼ代=トータル62000円程度です)

効果が高くて、費用負担が少いなんて、素晴らしいですね。

わきがで悩んでいる方は切実ですから、本当に保険診療の制度はありがたいものです。

さて、皮弁法の欠点ですが、

術後管理に注意が必要なこと、切開の傷ができること、術後合併症(皮膚壊死など)が生じる可能性があることだと思います。

皮弁法はわきの下の切開から皮膚の剥離をおこない、においのもととなるアポクリン腺を丁寧に直視下に除去して、再縫合する手術です。

不用意に行うと皮膚の血行不良が起こり、合併症を生じてしまいますので、しっかりした術後管理が必要になるのです。

医師側も頑張って手術をしますが、患者さんも頑張って術後管理をしていただくことが重要です。

術後1週間はワキを安静に保ちたいので、日常生活が制限されます。両側同時に手術する場合は長期休みの前がおすすめです。

ご家族のご協力のもと、手術をうけていただけるとありがたいですが、一人暮らしの方や、お仕事が休めない場合には片側ずつの手術をお勧めする場合もあります。

できるだけ安静をしっかり守っていただくことで、目立つ傷あとや術後合併症の確率を減らすことができます。

(追記:2019年8月29日現在 術後管理の工夫により、両側同時手術をおすすめできるようになっています。術後安静期間も以前より短縮しています。

手術の翌々日に再受診をしていただくまでは脇を動かさないようにしていただきます。そこで問題なければシャワー浴がOKとなります。

術後4日目の受診で問題なければ、手を上にあげることが許可となります。術後7日目、創部チェックのため受診です。

術後10日受診し、抜糸のあとは、傷の治り具合で通院頻度が決まります。)

当院ではわき汗全般に対し

●制汗剤(自費)(塩化アルミニウムローション、ミョウバンを主成分にしたD-bar、D-tubeなどのクリニック専売デオドラント)

●ボトックス注射(保険適用:ただし原発性腋窩多汗症のみで、腋臭症には適用されません)

●皮弁法による手術

以上の三本立てで、希望の治療を選んでいただいております。

(追記:2020年3月17日現在、ミラドライの施術を行っております。術後の安静期間は少なく、効果も高いので好評です)

お気軽にご相談ください。

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