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当院でできる手術②-2:立ち耳の手術 の話 ふたたび

院長藤田です。

立ち耳って、どのぐらい気にされているものでしょうか。

欧米では好まれない変形のようです。

耳の裏に貼って耳を倒す、専用のテープが売られています。さしずめ、日本でいうアイプチ、アイテープのようなものでしょうか。

日本人はそこまで気にされることもすくないですが、変形が強かったり、左右差がある場合には気になるようです。

反対は正常なのに、片方だけたち耳だとバランスが悪く見えることもあります。

とくに短髪、刈り上げにしたり、髪をアップにしたりすると目立つようです。

もしコンプレックスがあるようでしたら、手術をおすすめします。

耳の裏から切開するので、耳の表面には傷は残りません。

手術は局所麻酔で行います。

時間は通常の変形であれば、片方で30-40分程度です。手術中に痛みはありません。

 

術後は耳に形を整えるガーゼを10日間ほど固定します。その間はぬらさないようにしていただいています。

抜糸は術後2週間以降で行います。

 

手術は当院では保険診療で行っています。

手術料金の目安は 片耳の手術(耳介形成術:軟骨形成を要するもの)3割負担で 50280円+諸費用です。

 

美容外科も含め、各施設いろいろな方法で手術を行われておりますが、私が行っているのは信州大学形成外科で学んだ方法です。

たち耳手術は変形のあともどりがあり得る手術なのですが、それを予防するために、Stenström(ステンストローム)法という方法で軟骨処理をします。

耳の裏面の切開の一番下の部分から軟骨の前面にまわって、耳の前側の皮膚と軟骨の間を剥離します。

次に剥離した部分の軟骨の前面に特殊な道具で細かい傷をつけるのです。

イカを焼くときに切れ目を入れると反対側に曲がりますが、軟骨もそんな風に自然に曲がるのです。

この処理をしてから耳介の裏で癖付けの糸をかけて(これはMustardé法といいます)、耳を後ろに倒します。

 

欧米ではさらに耳甲介(耳の穴に近いほう)の高さをを減量する方法(Davis法)がとられますが、日本人の場合にはあまり必要ないようにおもいます。

そこまで耳を寝かさなくても十分に良い形が得られることが多いです。

 

私は耳の手術が好きです。

耳の手術は、思った通りの形に形成する、形成外科の醍醐味が最も得られる手術の一つのような気がします。

うまく決まった時の達成感と患者さんの喜びの声は、本当にうれしいです。

これまで勤務医時代にも小耳症手術などで美しい耳の形を追求してまいりましたが、開業後にもその経験は十分生きていると実感しています。

たち耳の手術だって、正しい耳の形をしっかり頭の中にイメージできていないとおかしな形になりますからね。

術者の脳内イメージが大事な手術なのです。

 

 

 

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