院長藤田です。
久しぶりに手術のことを書こうと思います。
さて今日は耳切れ、正式名称、耳垂裂(じすいれつ)の話。
耳垂裂ってご存知でしょうか。
読んで字のごとく、耳たぶが割れている状態です。
これは先天性の耳垂裂と、ピアスなどのトラブルで生じた後天性の耳垂裂があります。ピアスが引っかかって耳が切れてしまう患者さんが時々います。切れた部分が見えるのがいやで、カモフラージュのためにさらにピアスを足すという方もいらっしゃいますよね。
この耳切れですが、自然に治ることはほぼありませんが、手術で治すことができます。
この手術は割れている部分を切除して縫い合わせる単純な手術のようにみえますが、
普通の耳垂裂でも手術の際にはちょっとしたコツが必要です。
手術の縫合創は縮んで治る性質がありますので、そのまま切って縫合すると、耳垂裂が治りきらず、くぼみを残してしまうのです。おしりみたいに割れてしまうのです。
それを防ぐためにW形成術、あるいはZ形成術を利用して、傷の自由縁にジグザグを入れるというテクニックを使います。
そうすることでなだらかな耳垂を形成することができるのです。
先天性の耳垂裂の中には手術がとてもむずかしいものもありますが、工夫して手術を行います。
先天性耳垂裂は健康保険が適用されます(費用負担 3割負担で約30000円)が、ピアスによる耳切れについては自費手術(税込93500円)となります。