院長藤田です。
立ち耳という耳介の異常をご存知でしょうか。
その名の通り、通常よりも耳が寝ておらず、立っている変形で、耳介奇形の一つに数えられます。
前から見ると耳が目立ち、短髪でも、ロングストレートヘアでも耳が飛び出してしまいます。
日本では「頭が良さそう」「人の話をよく聞く耳だね」などと言われ、比較的ポジティブに捉えられていることが多いようですが、
西洋ではあまり好まれないようで、耳はなるべく寝ている方がCOOLのようです。
一時的に耳を寝かせるテープや、クリップなども売っているほどです。手術治療をする方も多くいるようです。
日本人の患者さんでも、コンプレックスに感じている場合も多いようですね。
また、重度になると、マスクやメガネをかけにくいなどの機能的障害を生じることもありますし、寝ているときに耳が折れてしまい、出血して変形することもあります。気になる場合には治療をおすすめしています。
治療法です。
生後間もない赤ちゃんならば矯正テープで治療できるのですが、大人は手術を行います。
手術は局所麻酔で外来で可能です。片方1時間、両側で2時間程度かかります。
費用は健康保険が適用され、片側6万円、両側で12万円程度です。
術後通院は当院の場合、手術翌日、3-4日頃、7日頃、14日頃の診察は必須です。
手術後の耳の形の確認、手術創の確認が大事なため、術後通院ができない方の手術は行っていませんのでご了承ください。
(2022年4月5日追記:長野県内在住の方のみ手術をお受けしております。ご了承ください)
立ち耳の術後は、顔の印象がだいぶ変わります。
私の主観ですが、男性は精悍な印象、女性は優しい印象になり、耳に目が行くことがなくなるように思います。
実際の患者さんの写真です。
この方は、術後の耳の形がご自分のイメージ通りになったと、大変喜んでいただき、写真の掲載にもご快諾いただきました。
形成外科医として一番嬉しい瞬間です。
ありがとうございます。
この写真を見て、自分の悩みが解決するきっかけになる方がいるかも知れません。
術前正面。前から見て耳が目立ちます。
↑後ろから見るとさらに耳が目立つ
↑術後2週間、正面です。耳が見えなくなりました。
↑術後2週間。後ろです。耳が目立ちません。髪をアップしてもらえばわかりやすかったですね。
インターネット上に出ている立ち耳術後の写真を拝見しますと、対耳輪の屈曲を強くしすぎてしまっている例が多く見られます。
当院では軟骨の屈曲が強すぎないよう、自然な形に仕上げるように気をつけています。
この手術は、信州大学形成外科、長野こども病院形成外科勤務時代に小児の耳を多数手術した経験が活かされています。
耳の形が気になっていらっしゃる方はご相談ください。
手術のリスク、副作用:出血、感染、皮膚壊死、耳介変形、立ち耳の再発、傷跡がめだつ、耳の左右差、局所麻酔薬アレルギー等
手術の仕上がりは症例ごとに異なります。手術にはリスクがあります。
手術の費用:上記の通り、保険診療によります。