院長藤田です。
久々の症例ブログです。写真のホームページへの掲載を患者さん保護者様にご許可頂きましたので御紹介します。
赤ちゃんの耳の形の異常は、生後のごく早期なら、矯正治療で治る場合があります。
生後5日の赤ちゃんです。
両耳の形の異常を助産師さんに指摘され、すぐに形成外科にかかるように言われたとのことです。
耳介軟骨の変形による耳介形態の異常を認めます。右耳の変形は耳輪に向かう折れ癖が異常であり、スタール耳という変形と言えると思います。
早速治療を開始しました。歯科用印象材を耳の溝に当てて、作りたい耳の形に誘導します。
通常1週間貼りっぱなしにしてもらって再診していただく事が多いのですが、
この子の場合は事情で来院出来ず、3週間経過して再診しました。貼り替えずにそのままおいていたとのことでした。
果たして耳の形は、、
見事にほぼ正常な形態となっていました。
この時点で戻ることは考えにくい状態だったため、治療は終了としました。
なかなかこんな早期に治療できることはありませんし、新生児の当院への受診を促すものでもありません。
待ち時間が長くて赤ちゃんが疲れてしまいますし、生後間もない児の外出も気軽におすすめできません。
ただ、変形がひどい場合にはなるべく早期の治療開始が望ましいのは事実です。
助産師さんや小児科の先生に、本当は矯正をやっていただけるとたすかりますが、なかなかそうもいかないようで、、、
困った場合には受診をしていただくのが良いかと思います。
費用
保険診療です。
新生児の負担は自治体が支払いを肩代わりしてくれるためこの方の場合は500円のみとなっています。
副作用
耳介皮膚の皮膚炎
とびひによる耳介皮膚への感染
過剰な圧迫による皮膚壊死や耳介軟骨露出による永続的な耳介変形の可能性があります。