院長藤田です。
巻き爪(陥入爪・かんにゅうそう)痛いですね。放っておくとだんだん変な肉がでてきて出血します。
腫れていたくて、病院に行っても抗生物質の飲み薬、塗り薬だけで治療されることも多かったりします。
爪の痛みは皮膚に爪が刺さってしまうことが原因なので、基本的には飲み薬、塗り薬では治りません。皮膚にトゲが刺さっているのに、トゲを抜かずに塗り薬を塗っているのは少しおかしい気がしますよね。ただし、飲み薬、塗り薬を続けているうちに刺さっている爪が自然に溶けてきて、徐々に治る場合もありますので、一概にダメな治療とも言えません。
ただ、患者さんは痛みをすぐに取り除いてほしいということで受診していますので、なるべく早めに、重症の場合は受診当日に処置をすることが多いです。
巻き爪についてはいくつか治療法を用意しています。
- 爪切り(無麻酔) :明らかに食い込んでいるところが分かる場合は一瞬の痛みを我慢して頂いて食い込み部分を爪切りします。ほぼ出血なく、痛みは一瞬です。
- 陥入爪手術(爪母温存楔状爪切除)(局所麻酔):趾に局所麻酔を注射して、無痛にした後、食い込んでいる爪の部分を楔状(三角形)に切除します。同時に不良肉芽も切除します。当日から痛みは改善します。爪母が温存されますので、爪の変形を来しにくい方法ですが、再発する可能性があります。
- 爪ワイヤー矯正(自費診療):繰り返す陥入爪や、湾曲の強い巻き爪に対して、ワイヤーを装着することで爪の食い込みを防ぎ、爪の形を矯正する方法です。爪の温存ができ、効果も高いですが、再発リスクがあることと、自費診療で費用負担が生じます。
- 陥入爪手術(フェノール法)(局所麻酔):繰り返す陥入爪で爪幅が広いことによる場合に適応になる手術治療です。爪の根元の爪母をフェノールという薬品で処理するため、爪の幅が狭くなり、再発を防ぐことが出来ます。爪の幅が永久に狭くなるうえ、将来的に爪変形をきたす可能性があるため、手術適応は慎重に決定しています。手術後の痛みは軽く、うまくいけば、爪の悩みから開放されるよい治療です。
それぞれの患者さんについて個別に最適な方法を提案しています。
受診当日に施行することがあるのは1,2,(4)です。ワイヤー矯正は別日で予約施術となります。
自費診療を提示されると皆さん若干引きますが(^_^;、無資格者の経営している爪サロン(これも良い治療を行っているところも多いですが)と比べてもあまり価格差はないのではないかと思っています。ただ、病気・病院にお金を払う習慣が国民皆保険に慣れた日本人には乏しいため、患者さんの捉え方は様々のようですね。
患者さんの御希望と現在の病状を踏まえてのご相談、というのが良いですね。
