お知らせ&ブログ

逆さまつげ 下眼瞼内反の手術解説【術中写真あり】

院長藤田です。

今日は下眼瞼の逆さまつげの手術について解説します。

逆さまつげには先天性(うまれつき)のものと 加齢(老人性)によるものがあります。

どちらも手術で治療します。今回の症例は30代女性で、生まれつきの下眼瞼の逆さまつげの方です。

子供の頃からずっと困っており、抜毛処置や、コンタクトレンズで保護するなどして、過ごしてこられたそうです。

起きてからすぐコンタクトレンズを装着し、寝る前に外す生活をしており、「メガネにあこがれてるんです」とおっしゃっていました。

コンタクトをしないと痛くて目を開いていられないとのことでした。

「自分の写真で、困っている方の助けになるのなら」と、ホームページの掲載をご許可いただきました。

ご協力ありがとうございます。

術前正面。両側の逆さまつげがありますが、特に右で重度です。
術前 右眼を横から見たところ。まつげが目に当たりそうです。
上方視するとさらにまつげが内反します。
手術時のデザイン。実際には切開はもう少し小さく済みました。
手術中。上から2番目のピンセットでつまんでいるのは下眼瞼を開く筋肉につながる筋膜です。瞼板に付着しています。
この筋膜を瞼板から丁寧に剥離します
瞼板から剥離した筋膜を、睫毛側の皮下組織、眼輪筋に固定します。この操作で睫毛の向きが外側に向きます。よく行なわれているHotz法という方法(従来法)では睫毛側の皮下組織を瞼板に固定するのですが、そうすると術後の傷痕が目立つので、私はちょっと違う方法にしています。
手術終了時です。睫毛の向きが矯正されています。下眼瞼が三白眼になりすぎないようにしています。
手術翌日。皮下出血も少なく、腫れも少ない。
術後1週間。抜糸しました。
術後3ヶ月です。睫毛の矯正は良好で、傷痕もだいぶ目立たなくなりました。この後さらに目立ちにくくなります。逆さまつげの手術をすると下まぶたが二重になってしまうのが目立つ場合がありますが、この方法ならあまり違和感がなく済むことが多いです。
術後3ヶ月の右眼 横から。 睫毛、良い方向を向いてます。
上を向いても睫毛は前向き。目の痛みもありません。

手術後3ヶ月には希望していた、憧れのメガネ姿で受診してくれました。

喜んでいただけて何よりです。

【注意】

手術の方法、経過、結果は、治療施設ごとに異なりますので、主治医の先生にご相談ください。

また、手術の経過、結果は症例ごと、重症度ごとに異なります。手術には必ずリスクが伴います。

手術のリスク、副作用:出血、皮下出血、感染、逆さまつげの再発、左右差、眼瞼の変形、傷跡がめだつ、局所麻酔薬アレルギー等

手術の費用:保険診療です

 

一覧へ戻る