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ワキガ手術 の【症例写真】

院長藤田です。

わきがの手術のお話です。

ワキのニオイ、ワキガが重度であれば、当院では保険診療内で手術を行っています。

腋臭の強い方に関していえば、治療効果が高く、生活が大分楽になる治療で、術後も喜んで頂けることが多く、やりがいのある仕事です。

注意が必要なのは、この手術は多汗症には効果がないことです。あくまでワキガの治療です。ワキガと多汗の合併例では多汗は多くの場合再発します。また軽度の腋臭の方で、診察室で臭いを確認出来ない場合には手術適応としていません。診察時にはワキガのする状態で受診していただく事が必要となります。制汗剤を塗ってきたり、直前にシャワーや汗拭きシートで汗を落としたりしないようにお願いします。

また、最近私を悩ませているのは、「保険で安いから」という理由で手術を希望する方がいることです。

確かにね、特に高校生なんか、市町村によっては医療費が無料ですからね。惹かれる気持ちもわからなくはない。

でも、患者さんに「安いんで手術で」と言われると、疾患を治す為にと思って保険診療で手術をしている医者としては正直ガックリきます。手術はワキ汗治療のなかで一番大変で、合併症(副作用のこと)を起こさない様に気も遣うので、本当はミラドライよりも高額に設定して自費としたほうが良いのか、と葛藤しています。

そして患者さんの傾向として、値段が安いと覚悟も低くなりがちなことが多いのです。

一度切ってしまうと「きずあと」と「後悔」が一生残ることがあります。よく考えて手術を決めましょう。

そして保険診療というのは、皆で出し合ったお金で、病気の治療をするために存在するのだということを忘れないようにしましょう。

症例紹介です。写真の使用のご許可を頂いています。
剥離範囲をデザイン。皮膚切開は1本です。
皮膚剥離して、アポクリン腺を除去したところ。皮膚を薄くしすぎると壊死します。
皮膚を縫合して、ドレーンという管を挿入(ストローみたいなもの)。周りにある糸でガーゼを皮膚に縫い付けます。
ガーゼを皮膚に縫い付けて固定したところ。タイオーバーという固定法です。このガーゼは術後2日までこのままです。
術後2日。タイオーバー固定をはずし、ドレーンを除去したところ。皮膚の色は良好。
術後4日 経過良好
術後7日。経過良好。皮膚の色も戻ってきた。
術後10日。抜糸直後の様子。
術後18日。大分落ち着きました。
術後1か月の様子。治りが良いですね。少し突っ張りが出る事もあります。
術後2か月。臭いもへって、傷もあまりきにならないとのこと。今後更にきずあとは目立ちにくくなります。

術後経過については、患者さんにより個人差があります。この方は最も最短で回復している部類の方です。

 

手術のリスク:血腫、感染、皮膚壊死、腋臭の残存・再発、腋毛の脱毛、肥厚性瘢痕、ケロイド、毛嚢炎

費用 保険診療 3割負担の場合、手術の費用単独では 両側で41220円+諸費用=52000円程度

当院の場合、その他別途で圧迫装具、ガーゼ等費用(実費16500円)。

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