院長藤田です。今回はワキ汗、ワキガの話です。当院は開院以来、ワキ汗治療に積極的に取り組んでいます。
ワキ汗の量やワキのにおいが気になり、電車や職場、学校などで人との距離を無意識に取ってしまう方は少なくありません。
「カゲでニオイについて噂されているのではないか」「なんとなく避けられている様な気がする」など深い悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
しかし多くの方が、「病気ではない」「気にしすぎかもしれない」と考え、誰にも相談できずに過ごしています。
日常生活の中で繰り返し気になり、行動や気持ちに影響している場合、医療で解決できるかもしれません。
皮膚科治療や市販薬で改善しなかった方へ
近年、画期的に汗の量を減らすことができる塗り薬(エクロックゲル、ラピフォートワイプ)が発売されています。しかも保険適用で皮膚科クリニックで処方を受けることができます。このお薬は汗の量を減らすことでわきのニオイもかなり改善できることを経験しています。ただ、外用薬、清潔を保つ工夫を続けても、十分な改善が得られないケースがあります。
これは努力が足りないからではなく、においの原因が皮膚の表面ではなく、遺伝的素因によるアポクリン汗腺の発達度にあるためです。日本人の約25%程度はアポクリン腺の発達した腋臭症体質といわれていますが、この中でもアポクリン汗腺の多い、少ないの個人差があるのです。
ただ、皮膚科での治療で改善しなかったからといって、治療法が残されていないわけではありません。
実は、形成外科で治療できる症状です
ワキのにおいは、形成外科で治療が可能な疾患です。
原因となる汗腺に対して外科的にアプローチすることで、根本的な改善が期待できます。
これは見た目を良くするためだけの美容医療ではなく、日常生活の負担を軽くするための医療です。そのため、当院では腋臭症手術については全て保険診療で行っています(ミラドライという機器による治療は自費診療です)。
受診=必ず手術する、ということではありません
当院では、最初から手術を前提にお話しすることはありません。
症状の程度や生活への影響、年齢やご本人の希望を踏まえ、治療の選択肢を一緒に考えます。
生活のスタイルや、悩みの度合い、サポートしてくれる家族などの違いにより、治療の選択肢は様々です。
「まずは相談だけしたい」という受診でも問題ありません。ご相談だけの方も多く来院されています。
形成外科専門医の私がこの治療を積極的に行う理由
私は1997年から2017年の開業にいたるまで、一般病院の形成外科治療を担当してきました。特に信州大学病院や長野県立こども病院では、主に小児先天異常の形成外科を専門にしてきました。小児先天異常の形成外科というのは、いわば生まれ持った障害やコンプレックスを形成外科の力で解決する医療です。この考え方は腋臭症治療において、非常に共通していると思っています。「患者さんが人生をより楽しく生きられる様に手助けする医療」という考え方です。
ワキ汗やワキのニオイを気にせずに生きられたらどんなに楽でしょうか?
まとめ
ワキ汗・ワキガは医療で相談・治療ができる疾患です。
相談だけでも構いません。患者さんのお力になれると嬉しく思います。
こちらの診療案内もご参考にどうぞ。
